神戸市の空き家を賃貸活用したい方必見！手続きの流れや注意点を紹介

神戸市で空き家を賃貸活用する意義と制度の概要

神戸市では、使われていない空き家・空き地の放置が防災や衛生、治安、景観などに悪影響を及ぼすことから、積極的に活用を促進しています。市街化区域内を中心に、賃貸活用を含む利活用が推奨されています。さらに、所有者の相談に応じる窓口「すまいるネット」や専門相談員による助言が整備されており、無料で相談できる体制が整っています。

賃貸活用を進めるためには、まず「すまいるネット」で一般相談を受け、その後必要と判断されれば不動産の専門相談員による対応へ進みます。場合によっては、支援事業者（民間事業者）から具体的な提案も受けられます。このような相談ステップを経ることで、所有者が抱える不安を軽減しつつ、空き家の賃貸活用をスムーズに進められます。

賃貸活用の対象となる物件は、神戸市内の市街化区域にあり、もともと住居として使われていた一戸建てや長屋で、使用されていない期間が一定以上ある住宅などです。制度により詳細条件が異なりますが、「空き家活用ローン利子補給制度」では、築年数が30年以上かつ過去1年以上使用されていない住宅が対象になるなど、具体的な条件も定められています。

賃貸活用に関する補助制度と手続きの流れ

神戸市では、空き家の賃貸活用を目的とした補助制度として、「空き家活用ローン利子補給制度」と「地域利用としての無償貸出に対する維持費用補助制度」が用意されています。それぞれの制度内容や手続きの流れをご紹介いたします。

まず、「空き家活用ローン利子補給制度」は、空き家を取得またはリフォームするため融資を受ける個人が対象で、融資額の上限は７５０万円、補給限度額は約６７万５千円です。築年数や空き期間、融資条件（年利３.５％以上等）などに該当する必要があります。また、補給を受けた場合は３年間の所有継続と風俗などへの不適切な利用を避ける義務があります。申請はメールまたは郵送で行い、書類提出を含めた手続きが必要です。受付期間は２０２５年４月７日から２０２６年３月３１日までです。 

一方、「維持費用補助（空き家／空き地地域利用）」は、所有者が無償で地域活動団体へ空き家又は空き地を貸し出す場合、固定資産税・都市計画税相当額を補助する制度です。対象物件は市街化区域内の空き家（一戸建・長屋など）や更地の空き地で、２年以上の使用貸借契約による登録団体への貸出が条件となります。補助上限は同一年度あたり１００万円、所有者一人あたり最大３物件まで申請可能で、年度途中申請の場合は月割計算となります。受付期間は２０２５年４月２１日から２０２６年１月３１日までです。 

両制度に共通する申請の流れは、次のとおりです。まず、すまいるネットなどの窓口で相談をおこない、制度の適用可否や必要書類を確認します。次に、準備書類（位置図、登記事項証明書、契約書類など）を整えて申請し、審査が通れば補助が交付されます。交付後、必要に応じて実績報告やアンケートへの協力が求められます。

相談窓口と専門家のサポート体制

神戸市では、空き家や空き地の活用を検討されているご所有者の方のために、まず「すまいるネット」での無料相談をご案内しております。すまいるネットは、住まいに関する相談窓口として、一般相談員が基本的なご相談に対応し、必要に応じて不動産の専門相談員へと橋渡しいたします。さらに、状況に応じて民間の支援事業者による具体的な提案を受けることも可能です。ご相談はお電話またはご来所により承っております（神戸市内での空き家・空き地が対象）。 

また、すまいるネットの相談では対応が難しいような場合や、実際に物件への訪問や個別の悩み相談をご希望される際には、「空き家おこし協力隊」がサポートいたします。こちらは所有者に対して訪問し、建築士・宅地建物取引士・司法書士・税理士らの専門家が個別の事情に沿った解決支援を行います。基本的に無料ですが、登記手続きなど専門家による業務が必要となる場合は費用がかかることもございます。 

相談から活用完了までのステップとしては、まず「すまいるネット」へ問い合わせし、一般相談員による状況確認、その後必要に応じて専門相談員へつなぎ、さらに課題やニーズに応じて「空き家おこし協力隊」へと進む流れになっております。これにより、ご自宅や物件を見ながら安心して相談できる体制が整っています。 

相談時にご準備いただくとスムーズな情報について、以下の表にまとめております。

以上のように、神戸市では段階的に専門性の高い支援を受けられる相談体制が整っております。まずはお気軽に「すまいるネット」へご相談いただき、次の一歩へ進んでいただければと存じます。

賃貸活用に向けた準備事項と留意点

神戸市において空き家を賃貸活用する際の準備事項と注意すべきポイントを整理いたします。賃貸活用にあたっては、物件の条件確認や補助申請に伴う制限、申請時期や予算上限など、しっかりと押さえておくことが重要です。

まず、補助対象かどうかの確認手順として、例えば「空き家活用ローン利子補給制度」では、対象物件は神戸市内にあり、レッドゾーンを除いた区域にある一戸建て又は長屋の一住戸で、築から30年以上経過し、申請時点で過去1年以上使用されていない住宅とされています 。こうした条件に合致しない場合には補助を受けられませんので、まずは築年数や使用実績などの確認が欠かせません。

次に補助を受けた際の制限事項についてです。同制度では、補助金交付決定日から３年間は申請者が所有を継続し、公序良俗に反する用途への転用は禁止されています 。このような制限に違反すると補助金の返納を求められることもあるため、長期的な活用計画を立てたうえで申請することが肝要です。

さらに、申請時期や予算枠にも注意が必要です。「空き家活用ローン利子補給制度」の場合、2025年度は４月７日から受付が始まり、予算に達し次第受付終了となります 。また、他の制度として、空き家・空き地地域利用に関する維持費用補助・初期費用補助なども、受付開始時期や予算上限が定められており、年度内早期に終了するおそれがあります 。そのため、計画が固まり次第、なるべく早く相談・申請を進めることが望ましいです。

以上のように、(1)補助対象の確認、(2)補助の制限事項の把握、(3)申請時期・予算枠の把握をしっかりと押さえることが、賃貸活用をスムーズに進めるためのポイントになります。神戸市では、すまいるネットなどの窓口で事前相談も可能ですので、ご活用いただくことをおすすめいたします。

まとめ

神戸市で空き家を賃貸として有効活用するためには、市の基本方針や手続きの流れ、補助制度の概要を正しく理解することが重要です。対象となる物件の条件や各種申請の準備事項を事前に把握することで、よりスムーズな手続きが可能となります。また、相談窓口や専門家によるサポート体制も整っており、困った際には的確なアドバイスを受けることができます。制度の利用には細かな条件や時期の制限もあるため、事前にしっかり確認をして、後悔のない賃貸活用に備えましょう。