
神戸市の空き家バンク活用事例は?補助金制度の特徴と申請方法も紹介
神戸市で空き家の活用を検討している方、「空き家バンク」をご存じでしょうか?使われていない家を上手に使いたいけれど、リフォームの費用や維持費の負担が気になっていませんか。この記事では、神戸市独自の空き家活用支援制度から、活用事例、補助金の種類、申請手順まで、具体的な内容をわかりやすく解説します。あなたの空き家を新たな価値ある資産に生まれ変わらせるためのヒントをお届けします。
神戸市における空き家活用支援制度の全体像
神戸市では、空き家を取得・リノベーション・地域交流や社会貢献に活用するため、多角的な支援制度を用意しています。ここでは、改修支援、ローン利子補給、維持費補助を中心に、その内容と特徴を整理します。
| 制度名 | 主な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 空き家活用ローン利子補給 | 融資の利子の一部を補給(最大約67.5万円) | 築30年以上、空き期間1年以上の空き家が対象。返済期間や利率等で金額算出。 |
| 空き家活用応援(地域利用補助) | 地域活動や社会貢献に使う場合の改修費用を補助(上限200万円、補助率1/2) | 地域活動を2年以上実施するなど条件あり。 |
| 維持費用補助(地域利用) | 固定資産税・都市計画税相当額を補助(上限100万円/年、3物件まで) | 地域利用バンクに登録し無償貸与・2年以上の地域活動が条件。 |
上記に加え、老朽空き家の解体補助もあり、最大100万円まで補助される場合があります。ただし、解体対象は1981年5月31日以前に着工された建物など条件が限定されています。
次に、各制度の対象となる空き家の条件についてまとめます。
ローン利子補給制度では、神戸市内(レッドゾーン除く)の一戸建てまたは長屋において、築30年以上かつ申請時点で1年以上未使用であることが必要です。また、取得または改修のために300万円以上の融資を受け、返済期間12カ月以上、利率年3.5%以上であることが求められます。
地域利用補助制度(改修支援)は、対象空き家が神戸市内(レッドゾーン除く)の一戸建てまたは長屋で、改修後に地域活動・社会貢献の拠点として2年以上利用されることが条件です。
維持費用補助に関しては、神戸市の市街化区域(レッドゾーン除く)にある空き家または更地が対象となり、所有者が空き家・空き地地域利用バンクに登録し、団体に2年以上無償で貸し出す使用貸借契約を締結している必要があります。
最後に、申請受付期間と方法について説明します。
ローン利子補給制度は、2025年4月7日から2026年3月31日まで(予算到達次第終了)申請可能で、Eメールまたは郵送で受け付けています。
地域利用補助制度(改修支援)と維持費用補助制度は2025年度は4月21日から受付開始し、2026年1月31日まで(予算到達次第終了)申請可能です。なお、改修支援は交付決定前に契約を始めてはいけないなど、事前準備が重要です。
空き家活用ローン利子補給制度のポイント
神戸市が提供する「空き家活用ローン利子補給制度」は、老朽化した空き家をより住みやすく再生しようとする方に向けた支援制度です。以下のようなポイントがありますので、制度の理解と活用にお役立てください。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 対象となる空き家 | 神戸市内(レッドゾーンを除く)の一戸建て住宅または長屋の一住戸で、築30年以上、申請時点で1年以上使用されていない物件 | 店舗等との併用でも延床面積の半分以上が住居なら対象 |
| 融資の条件 | 機構融資または民間金融機関の融資、融資額は300万円以上、返済期間12カ月以上、利率3.5%以上 | 建物に関わる融資が対象で、土地のみは不可 |
| 補給金の計算式 | 補給金=融資額(上限750万円)×(融資利率(上限5.5%)–2.5%)×返済期間(上限36カ月) | 最大額は67万5,000円(千円未満切り捨て) |
たとえば、融資額1,000万円、利率4.0%、返済期間5年(60カ月)の場合には、上限の750万円を用いて計算し、補給金は約337,000円となります(千円未満切り捨て)
この制度にはいくつかの制約があります。交付決定日から3年間は所有を継続する必要があり、風俗営業や公序良俗に反する利用は禁止されています。違反した場合には補給金の返納が求められる可能性があります。
申請には多くの書類が必要です。申請書・位置図・登記事項証明書・取得またはリフォーム契約書・融資契約書・融資条件を示す証明書・使用状況を示す書類・振込先口座情報など、多岐にわたります。提出はEメールまたは郵送で行い、2025年度は2025年4月7日から2026年3月31日まで受付中ですが、予算に達し次第締め切られます。
制度利用後は、市から年1回、最長3年間程度の状況報告(アンケート)が求められることがあります。手続きや書類を確実に準備して、安心してご活用ください。
建築家と協働する空き家活用応援制度
神戸市では、建築家による設計のもと、空き家を意匠性豊かに再生し、社会貢献を目的とした活用を行う場合、「建築家との協働による空き家活用促進補助(空き家活用応援制度)」を実施しています。補助対象となるのは、神戸市内にある未使用の一棟建物または長屋の一住戸で、対象者は空き家の所有者または借主(予定含む)です。応募は交付決定を受けてから設計や工事が可能であり、事前着手は対象外となります。さらに、「課題解決力」「デザイン性」「社会貢献度」「継続性」「波及効果」などの観点で審査され、公平な選定がなされます
補助金額は、補助対象経費の2分の1に相当する額で、上限は500万円です。また、小規模な支援を希望する場合は、上限200万円のプランも選択可能です。応募時に希望額を選び、審査を通過した場合にどちらか一方が適用されます。建築家との連携を通じて、まちの景観やコミュニティ活性化に資する空き家活用を支援する意図が明確に示されています
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象条件 | 神戸市内にある未使用の一棟建物または長屋一住戸、建築家による設計、社会貢献利用(最短2年) |
| 補助金額 | 補助対象経費の2分の1、上限500万円/上限200万円プランあり |
| 手続きのポイント | 交付決定後に着手、審査項目多数(デザイン性・社会性・継続性等)、応募は募集期間中に所定方法で |
手続きとしては、まず募集案内を確認し、Eメールなどで問い合わせのうえ、応募書類を提出します。募集期間は例年5月~7月頃で、2025年度も同様の時期に実施されました。提出後は審査を経て交付決定がなされ、決定後に設計・工事に着手できます。なお、建築家を探す場合は、神戸市と連携する兵庫県建築士事務所協会神戸支部への相談も可能です
:空き家・空き地の維持費用補助制度(地域利用を視野に入れた所有者向け)
この制度は、空き家または空き地を「空き家・空き地地域利用バンク」に登録し、地域活動を行う団体に2年以上無償で貸し出す所有者向けの補助制度です。対象物件は、市街化区域内の〈更地で未使用の空き地〉および〈住居として使われていた一戸建て・長屋の空き家〉で、いずれも神戸市内にある必要があります。建物が併用住宅だった場合でも、延べ面積の半分以上が住居用途であれば対象となります。さらに、所有者は固定資産税・都市計画税を実際に納税していることが条件です 。
補助内容としては、物件(空き家または空き地)にかかる固定資産税と都市計画税の相当額が対象となり、年度ごとに1所有者あたり最大100万円まで補助を受けられます。空き家・空き地あわせて3物件まで申請可能です。なお、年度途中開始の場合は月割り計算での補助となります 。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象物件 | 市街化区域内の未使用更地、または住居用途の空き家(一戸建て・長屋) |
| 対象者 | 地域利用バンク登録物件の所有者で税を納めている人 |
| 補助内容 | 固定資産税・都市計画税相当額、年度あたり最大100万円(3物件まで) |
申請のタイミングについては、2025年度分は2025年4月21日から2026年1月31日まで受付中です。予算額に達した場合、期間中でも受付終了となりますので早めの申し込みをおすすめします。申請後の活動実績報告書の提出が原則必要で、当該年度に地域活動の実績がない場合は補助金の支払い対象になりません。継続して申請する場合は毎年度申請が必要で、原則として初年度含め5年間まで継続可能です(2022年度以前の初回申請者は2027年度まで延長可能) 。
まとめ
神戸市の空き家バンク活用に関連する各種補助制度は、用途や条件に合わせて多様に用意されています。リフォームや住宅ローン利子補給、建築家と協働する改修支援、維持費用補助制度など、物件や目的ごとに細かく支援内容が分かれている点が特徴です。申請には対象物件や利用目的に応じた条件があるため、事前にしっかりと確認し、スケジュールにも余裕をもって準備すると安心です。制度を活用することで、神戸市での空き家活用がぐっと身近になり、新しい暮らしや事業の実現を後押ししてくれます。当社では、制度活用のお問い合わせや具体的なサポートも承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。